Life with L.L.Bean
L.L.Beanのある暮らし
ひとりと一匹、自分をチューニングするデュアルライフ
デザイナー 佐藤重雄
「もともと壁はすべて丸太がむき出しで、いかにもログハウスという内観だったんです。もう少しモダンなインテリアにしたくて一部の壁を塗りました。キッチンのタイルも自分で貼ったんです」
通称北軽井沢と呼ばれる群馬県嬬恋にある小さなログハウス。グラフィックデザイナーの佐藤重雄さんは、「建物がふたつに分かれているユニークさとサウナが完備されていた」ところが気に入り購入。一部セルフリノベーションして、一棟貸の別荘『LOG』の運営をスタートさせた。管理するのも本人、そして傍らにはいつも愛犬のゴエモン(ゴエちゃん)が。ひとりと一匹、東京と北軽井沢の二拠点生活を送っている。
自然と都会で暮らすことでバランスを取る
「僕が生まれ育ったのは東京の多摩なんですが、団地育ちということもあり、長年おおらかな自然に憧れがありました。ここ北軽井沢は大学教授や文学者たちが集って別荘地として拓いたという歴史があり、文化的な香りを残しています。また静かで豊かな森に囲まれているところもとても気に入っています」
購入を決めたのはコロナウイルスによるパンデミックに、日本だけでなく世界が混沌としていた2020年秋。東京の自宅をベースとする中学生のひとり息子と妻とも、長期の休みや週末には一緒に訪れ、木々に囲まれながらの暮らしを満喫しているという。
「実は東日本大震災のあと、しばらく東京を離れて長崎県の五島に住んでいました。彼の地は周辺を海に囲まれ、海を中心にすべての生活が営まれています。ここでの生活を経ることで東京生まれ東京育ちの私ですが、“どこでも住めるな”と思えるようになったんです。また息子には、自然は身近な存在であると感じてほしかった。そういう意味でも、海の五島での暮らしと今の二拠点、どちらも大切な経験だと思います。都会にいるだけだとわからないことは多いですよね。自然の中で学ぶこと、都会で学ぶこと。それをバランス良く得られたら……。それは息子だけでなく私自身にもいえることです。今では景色を眺めながらサウナに入ったり、森の中をゴエちゃんと一緒に散歩したりしながら季節によって鳥の鳴き声が変化することを知れたりする。自然からインスピレーションを多くもらっています。環境問題のことを考える機会にもなりますよね」
仕事に生かされる北軽井沢での暮らし
佐藤さんにとっては自然からのインスピレーションが、東京で発信するデザインワークにも良いレスポンスとなっているのだそうだ。さらにはログハウスにやってくるゲストたちとの会話も、デザインワークに一役買っているという。
「僕にとってデザインとは、心が豊かだなと感じることをグラフィックに落とし込むことだと思っています。こういう自然の中に拠点を持つことで、その風景の中にある人工的でない色彩の美しさをデザインしたいと感じるようになりました。自然って見ていて飽きませんよね。僕もそんな飽きないものを作っていきたいんです。またここに来てくれるお客さんたちとのコミュニケーションが、思わぬところでマーケティングに繋がったりするんですよ。北軽の山小屋のオヤジとしてプレゼンテーションしていますが、それと同時にデザイン力が培われているんですよね」
シームレスに使えるL.L.Beanのアイテム
都市と自然の中という二拠点での暮らしをすることで、思いがけないものまで得られている佐藤さん。その傍らにはいつもフレンチブルドッグのゴエちゃん、そしてL.L.Beanのアイテムがともにある。
「貸別荘をやろうと物件を決め、準備しているタイミングで保護犬のゴエちゃんに出会いました。繁殖犬をリタイアした犬だったらしいんですが、当初は劣悪な環境の中にいたようで、ガリガリに痩せ細ったギリギリの状態で救出されたんです。ひとつでも命が繋げられたらとゴエちゃんの里親になることを決めました。今ではお互い慰め合う、なくてはならない存在ですね。
東京と北軽井沢という二拠点の生活を送っていますが、L.L.Beanのアイテムならどちらも違和感がない。だからそれぞれの場所にふさわしいものをと、ふたつ用意する必要がないんです。このアースカラーのフリースは配色も良いし汚れが目立たなくて着心地もとても良い。また袖がリブになっているのも薪割りなどの作業をする時に助かります。シティで求められるデザイン性とアウトドアで欲しい機能の両方を持ち合わせているから、デュアルライフにぴったりだと思います」
都市と森、デュアルライフによって得られたものは少なくないという反面、暮らしはどんどんシンプルになり、さまざまなものを手放していったと佐藤さん。フットワークを軽くするために所有物をぐんと減らし、かつてのように街で夜遅くまで飲み歩くこともなくなったそうだ。
「焚き火が大好きなんですよ。炎を眺めていられればそれだけで機嫌がよくなるタイプです。サーフィンや登山などに代表されるように、アウトドアって今やカルチャーとして成立し、しかも楽しみのひとつでもあります。それと同時に僕の焚き火に代表されるように、アウトドアは人をチューニングしてくれる存在でもあるのではないでしょうか。明日からの英気を養うこともできますし、僕にとっては都市でのデザインの仕事に良い影響を与えてくれます。
とはいえ、都市の生活と森での生活。どちらが良くてどちらが悪いという別け隔てはないんです。自分の中ではボーダーはありません。だから僕のL.L.Beanのトートバッグには、手斧とラップトップが共存しています。良いバランスですよね(笑)」
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