寒さが厳しくなる季節、自然と気になるのはダウンジャケットです。
〈エル・エル・ビーン(L.L.Bean)〉の品々は、オーセンティックで実用的、さらにファッション性も備えています。
実際に今回のダウンジャケットはアウトドア由来の機能性に加えて、
都市生活になじむような設えが隠されているんだとか。
合わせて、定番の「ビーン・ブーツ」や「ボート・アンド・トート」と共に、
都市も自然もどちらも丸ごと味わい尽くしましょう。
Photo:Shinji Serizawa
Styling:Airi Fukudome
Hair&Make up:Hina Nagamoto
Models:Keisuke, Keiya, Hyo, Chisa, Tomoe
Edit:Shinri Kobayashi, Ryo Muramatsu
〈エル・エル・ビーン〉のロゴを見ると、なぜだか安心感がこみ上げます。それは、どの世代にもこのブランドが寄り添ってきたことの証です。
ヘビーデューティの代名詞として、いまもなおファッションとアウトドアの交差点で燦然と輝くブランド―それが〈エル・エル・ビーン〉です。1912年、創業者のレオン・レオンウッド・ビーン氏が自身の狩猟体験をもとに開発した「メイン・ハンティング・シュー(現ビーン・ブーツ)」から、すべてがはじまりました。ぬかるみで濡れた足を守るために誕生したその一足は、のちに北極探検隊にも採用され、ブランドを象徴する存在として語り継がれています。
「ビーン・ブーツ」は、防水性の高いガムソールや、クッション性に優れたインソール、そして経年変化で柔らかくなるレザーなど、どれも機能と快適さを兼ね備えています。100年以上経ったいまも、メイン州の自社工場でハンドメイドを守るのは、頑丈で誠実なものづくりへの信念の表れといえるでしょう。
そして、100年以上に及ぶその長い歴史のなかで、〈エル・エル・ビーン〉の魅力は、質実剛健な機能だけに留まりません。「ビーン・ブーツ」をはじめ、トートバッグ、ダウンパーカなど、自然を相手にするための必然性から生まれた数々のアイテムは、長い歴史のなかで、トラッドなどをはじめとするファッションアイテムとしても愛されるようになりました。
なかでもファッション面で冬に注目を集めているのが、 ダウンジャケットです。街にも自然にも溶け込む普遍的なデザインと、必要十分な機能はブランドの真骨頂といえます。
例えば、今回モデルたちが羽織っているダウンジャケットには、650フィルパワーのダウンが詰まっています。そのジャケットは、過剰なスペックに頼らず、寒さをほどよく防ぎながら、身幅にゆとりを持たせることで街にもなじむ設計になっています。ちなみに、フィルパワーといえば、数々のアウトドアブランドがその数値の高さを求める、いわば “フィルパワー戦国時代” の体をなしていますが、“高ければ高いほどいいダウン” という考えには、あえて疑問を呈したいもの。なぜなら例えば、900フィルパワーのダウンがパンパンに入っているダウンは、流石に街中では暑すぎるから。だからこそ、オーバースペックではなく、650フィルパワーという “ちょうどいい” このバランス感覚こそ、〈エル・エル・ビーン〉らしさであるといえるでしょう。

同じ素材を使ったダウンベストもオススメです。軽やかに羽織れるダウンベストのツルッとしたナイロン素材に表情のあるニットを重ねるスタイルも、クラシックでアクティブな印象に。また、洗練されたホワイトのコーデュロイのダウンジャケットというのは、街着として新しい選択肢のひとつになります。
ダウンのカラバリに目を向けると、ベーシックカラーを中心としたラインナップなので飽きがこず、ずっと着ることができそう。長く愛用することが結果として、サステナビリティに貢献できる。そんなところもブランドの哲学を体現しています。
そして、ブランドを代表するアイテムといえば、やはり「ビーン・ブーツ」と「ボート・アンド・トート」でしょう。「ビーン・ブーツ」は、前述の通り、創業時からのアイテムであり、改めてその魅力を深掘りしてみると、履きやすさ、防水性、耐久性という三拍子と、さらにファッション性も備えた、まさにこのブランドのアイコンです。
防水性のあるガムソールのおかげでちょっとした水なんてへっちゃら。柔らかいレザーアッパーなので、履き心地も快適。さらに、グリップ力抜群なアウトソールと、クッション性のあるインソールの組み合わせで歩きやすい。また、シングルやダブルを超えた、レアなトリプル・ステッチだからこそ耐久性はお墨付き。アルファルトはもちろん、土や砂利、ぬかるみも含めて、雨の日も晴れの日も役立つ、まさに全天候型のシューズなのです。
スラックスも、派手目なパンツも、スカートも、合わせるボトムスを選ばないという、名バイプレイヤーぶりも嬉しいところ。丈もいろいろ。シューレースタイプもあれば、スリッポン、サイドゴアブーツなど、タイプもさまざま。自分だけのマイビーンブーツが見つかるはず。
最後は、キャンバスバッグ「ボート・アンド・トート」。1940年代、氷を運ぶためにつくられ、やがてアイビーリーグの学生たちの間でトラッドの象徴となりました。ラフに荷物を放り込める使い勝手と、使い込むほどに風格を増すキャンバス地の質感が、多くのファンを惹きつけています。
〈エル・エル・ビーン〉が育んできた世界観は、単なる懐古主義ではなく、自然と付き合える強さと、街になじむ洗練さです。その間にある、実用の美こそ、このブランドが100年以上愛されている理由なのかもしれません。

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