Episode 1Scotch Plaid Flannel Shirtsファッションライター いくら直幸
ファッションライター いくら直幸
メンズファッション誌の編集者を経て、20年に渡りライターとして活躍。
ウェブや雑誌での執筆のほか、情報番組のファッションコーナーにも出演中。
L.L.Beanとの歴史も深いいくらさんに今回はスコッチ・プラッド・フランネル・シャツをご紹介いただきます。
「スコッチとは、スコットランドのことで、プラッドとは、チェックのこと。つまり、スコットランドのチェックのフランネルシャツ、という意味です。
L.L.Beanのフランネルシャツはすごくこだわっていて、繊維産業の古くから盛んなポルトガルのポルト市にある工場でこの生地を生産しているんですね。コットンの中でも、肌触りの良い長繊維のコットンが厳選されていて、熟練の職人の方達が丁寧に織り上げているというのが、まずこのシャツの大きな特徴です。」
これまでの歴史だったり、職人の貴重な技術があるからこその、この肌触り。素材に関してはいかがですか?
「写真やネットで見てもなかなか分かりづらいので、是非1度体感して頂きたいんですが、すごく気持ちがいいです。数あるネルシャツの中でも、この肌触りを体感していただけたら、上質だな、いいものなんだなというのが皆様もお分かり頂けると思います。L.L.Beanのアイテムってロングセラーのアイテムが多いんですよね。その中の一つとして、このアイテムが80年以上売り続けられているっていうことは、それだけ選ばれ続けている訳があると思うんですよね。
それは、お客様が体感して、リピートされたりということで語らずとも、L.L.Beanのこだわり・真髄がお客様に伝わっているのかなと思います。」
タータンへのこだわりが強く、柄もたくさんありますが、いくらさんはどの柄がお好きですか?
「今日僕が着ているのがブラックウォッチという、タータンチェックの中ですごくメジャーな柄。チェックなんだけど主張が控えめですごくスタイリングが幅広く合わせやすかった、というところから入りました。紺ブレに合わせたりとか、汎用性が高いというところや、品良く見えたりというところも僕はすごく好きですね。一部カラーは、タータンチェックの本場である、スコットランド・タータン登録局(The Scottish Registry of Tartans)のタータン・アーカイブから、選ばれているというところも、洋服が好きな人間からするとグッときます。タータン以外に関しても、すごく幅広いバリエーションが揃っていて、これだけあればいいものが見つかるというのもあるんですけど、いいブランドにはいいチェックがあるというのが僕の持論。人気のあるブランドが作っているチェックってすごくいいんですよ。」
今の時代、正直プチプライスでもネルシャツって手に入ると思うのですが、L.L.Beanのフランネル・シャツは何が違うと思いますか?
「人に素敵だな、と思わせる絶妙な配色・柄の大きさ・ピッチというのを、80年の歴史がある中で、受け継がれたセンスだったりL.L.Beanの中での感性があるから、積み重ねられてきたものとして完成度が高かったり、人々の感性に響くようなものを作れている、というのはあると思います。
普段僕が着る時は、ガシガシ洗ってアウトドアにも、街でも、何なら家でも着てるしっていうような、アイロンもかけずにラフに着るっていうのが格好良いと思うんですけど、いいものだからこそラフに、長く使えるクオリティになっているし、いいものをずっと長く愛したいという思いに繋がるのかなと思います。」
これこそL.L.Beanのフランネル愛というか、こだわりという感じでしょうか。
「生産背景のこだわりって、なかなかお客様には見えない部分だと思うんですよね。それを語らずとも、ただ触っていただければ、着ていただければ、そしてこの柄を見ていただければ、他と違うな、こだわって作られているな、大切に着たくなるな、っていうのがお客様にも分かっていただけるのではないかなと思います。」
フランネルシャツをお洒落に着るコツを教えてください。
「こちらのシャツは、グレーをベースに赤・白・ブルー・イエローと色々な色が入っているんですけど、一番目に入るのが赤い部分だと思うんですね。この赤色を拾うことで、統一感を出すことが出来ます。例えば、この赤色を拾って、赤色のアウターを合わせてみます。
さりげなく色を拾うのがポイントで、グレーのベストを合わせてワントーンコーデにするのではなく、敢えて中に入っている柄の色味を拾うことによって、さりげなくまとまり感を演出できるテクニックです。」
「こちらのシャツはブルーがベースなんですが、アウターのポケットのカラーのブルーと合わせています。
シャツに入っているブルーの色味は、青の中でも少し暗めなブルーなのと、近くにブラックの色味があるので、アウターも暗めなブルーやネイビーの色と合わせるとバランスが良いです。
色をどこで拾うかは自由なんですが、柄の色の全体を拾うということもできますし、ちょっとした一部のカラーを拾うという合わせ方もできます。」
「ワンランク上のテクニックになりますが、色を馴染ませるのではなく、効かせるというやり方があります。
これからの季節は重ね着が実際に増えると思うのですが、シャツに入っている色は拾わないことによって、フランネルシャツが主役になり、このアイテムがアクセントになリます。これをアウターとインナーの間のミドルレイヤーと言ったりしますが、このミドルレイヤーにパキッとした柄や色の入ったものを合わせることによってスタイリングがすごく映えるので、これもお洒落に見える、一つのポイントです。」
最後に改めて、フランネルシャツの魅力をお願い致します。
「アメリカンカジュアルの定番、またアウトドアにおいてもクラシックアウトドアの定番アイテムなんですね。
1枚あるとすごく便利なんですけど、例えば柄違いで寒色系と暖色系を使い分けて持っているとか、青系が好きなのであれば青の中でも青の面積が広いものや、白をベースに青が入っているものみたいな形で、少し印象の違うものをいくつか持っておくと、すごくスタイリングの幅が広がります。一気に揃えなくても、毎年1枚ずつ今年、来年と、柄違いをリピートしていく買い方も、ありだと思います。」
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