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The Basic Study of L.L.Bean
Study 1:ボート・アンド・トート80周年
世界中で愛される
トートのルーツは1944年
ビーン・トートの愛称でも親しまれる「ボート・アンド・トート」。その歴史は古く、今からちょうど80年前まで遡ります。当時、一般家庭での食料品の保存には、氷を利用して冷やす木製のアイスチェストが使われていました。凍結した冬の湖面から削り出された大きくて重たい氷の塊。それを販売業社から購入して氷式冷蔵庫まで運ぶバッグとして、エル・エル・ビーンは1944年に「ビーンズ・アイス・キャリア」を発売します。これこそが商品のルーツです。
その後、現在の商品名「ビーンズ・ボート・アンド・トート・バッグ」としてカタログに再登場したのは1965年のこと。電気冷蔵庫が普及し、かつてのように氷を運ぶことがなくなった時代。ボートに乗ってレジャーを楽しむ際に必要なアレコレを入れて出掛けるという、新たなライフスタイルに合わせた用途が与えられ、ネーミングを改称して復活を遂げたのです。加えて、ハンドルとボトムが配色になったお馴染みのカラーリングも、この頃に誕生しました。
以降、アウトドアのフィールドをはじめ、アメリカ東海岸のアイビーリーガーやプレッピーといった学生たち、さらには街でのファッションシーンにも定着。今日ではジェンダーレスでエイジレス、そして決して色褪せないタイムレスなアイテムとして幅広いファンに愛され、実に年間35万個ものトートが世界中へと旅立っています。
当時は氷のほか、暖炉に焚べる薪、庭で採れた野菜や果物を入れるバスケット代わりにも使われました。肉厚なキャンバス生地、側面から底までぐるりと縫い付けることで強度&安定感を高めたオーバーラップ仕様のハンドル、溶けた氷が浸み出さないよう別布を当てて補強した二重構造のボトムといった作りは今なお変わらず、既に80年前に完成されていました。
原点となった「ビーンズ・アイス・キャリア」を掲載した1944年のカタログ誌面。
ボート・アンド・トートこそ
シンプル・イズ・ベストの究極形
「ボート・アンド・トート」は80年前からメイド・イン・USAを一貫。本社を置くメイン州の自社工場にて生産されています。精鋭揃いの職人で編制される専任チームが作業にあたり、全工程で人の手と目を頼りにした昔と変わらぬ製法を守り続けてきました。それゆえ、すべて同等のハイクオリティを保ちながらも、ひとつひとつの仕上がりに細かな個体差が生じるところはハンド・メイドならではの味わいです。
選り抜きのアメリカン・コットンを織り上げたオリジナルのキャンバス生地は、ヘビーでタフな24オンス。ステッチは極太で強靭なボンデッド・ナイロン糸でガッチリと縫製。資源を無駄にせず布地の端のセルビッジまで使い、しつけ縫いや仮止めをすることなく熟練の技で一気に縫い上げます。さらに縫い終わりは何度も返し縫いを施し、あえて糸の端を長いまま残しています。これは何十年と酷使しても糸がホツれないようにと耐久性を追求した工夫です。
自社のテストでは、500ポンド(約226kg)の荷重にも耐える確かな強度が実証されています。ずっと先々まで愛用でき、結果として自然資源の節約にもつながり、サステナビリティに貢献するこうした実績が評価され、日本では「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」も受賞しています。
重い荷物を詰め込んでも、長年にわたって使い込んでも、そしてラフに扱ったり、ガシガシと洗ってもビクともしない。それでいて構造は極めてシンプルで、ボディの生地&ボトムの補強布、持ち手を二重にしたハンドル用のベルトという、たった4パーツで構築。いっさいの無駄がないからこそ壊れにくく、シンプルなデザインだからこそ飽きがこない。
長い歴史を物語る
タグの変遷も魅力のひとつ
旧ロゴを発見すると今でも胸がトキメキます。
長い年月を積み重ねてきた超がつく定番アイテムだけに、古着好きにもファンの多い「ボート・アンド・トート」。ライターの黒澤さんもその一人。
「1944年の登場時から完成されたデザインゆえに、年代ごとの違いを探りたくなるのはヴィンテージ好きの性かもしれません。ユーズドショップで見かけるもののなかにはデニムのような耳が付いていたり、現行よりもハンドル幅がやや狭かったりして、マニアからの人気も高いです。そういう意味では、タグデザインも年代の違いが見られる要素の一つ。黒タグに筆記体のタグ、現行に近いタグになるとフォントや文字の配置バランスなど一見気づかないような微差にグッときます。僕もサイズや色違いで複数のタイプを愛用していますが、今でもユーズドショップで旧タグを発見すると、ついつい手が伸びてしまいます。1912年から続く伝統あるブランドだからこそ楽しめる魅力ですよね。」
こちらが幾度もの変遷を経た、2024年時点の現行タグ。
小さく織り込まれた「MADE IN U.S.A.」の文字が、ブランドのプライドを静かに物語る。
ライター 黒澤正人さん
ファッション&モノ誌をはじめとする数々のメディアのほか、有名ブランドのカタログなどにも寄稿。アメカジやヴィンテージ好きとしても知られ、その広く深い知識を生かした記事も多く手掛ける。また新旧のアイテムを問わずエル・エル・ビーンの熱心な愛用者でもある。
1980年代のアーカイブ・ロゴを
刺繍した80周年スペシャルモデル
が登場!
今年で80周年の節目を迎えた「ボート・アンド・トート」。これを記念して、日本限定&数量限定でのスペシャルモデルを発売します。80年前の構造やデザインをベースにしつつ、時代時代にアップデートを繰り返してきたネームタグも、現在までの長い歩みを象徴するディテールです。加えて絶大な支持を集める理由のひとつが、お好みで文字やモチーフを追加して自分だけの逸品を楽しめるモノグラム刺繍によるカスタマイズ。大切な方へのギフトにもたいへん好評であり、そうした“刺繍が映えるバッグ”であることもアイテムの大きな魅力です。
アニバーサリーモデルでは、このアイデンティティをリスペクト。ヴィンテージファンにも人気の太字のビーン・チェルト体による1980年代のアーカイブ・ロゴを復刻し、トリムとのリンクカラーにてアイコニックにビッグ刺繍することで、存在感を主張するキャッチーなルックスに仕上げました。世界中で親しまれている定番品とはひと味違う、差のつく「ボート・アンド・トート」です。
80th ARCHIVE LOGO BOAT AND TOTE
80周年記念モデルのベースは、「ボート・アンド・トート」誕生以来のスタンダードであるオープン・トップ。配色は常にトップセラーを続ける2大シグネチャーカラーのダークグリーントリムとブルートリムを用意しました。サイズは多彩な用途に対応し、さまざまなシーンで活躍するミディアムとラージの2タイプ。日本全国の直営店&公式オンラインストアでのみ販売の数量限定アイテムです。
・ミディアムサイズ各¥13,200(税込)
・ラージサイズ各¥14,300(税込)※完売いたしました。
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