右)本村祥太店長
1981年生まれ。広大な売り場と豊富なラインナップを誇るL.L.Bean Flagship 吉祥寺店の店長。アパレルブランドを経て、「ファッションと機能」、「古さと新しさ」が共存するL.L.Beanの世界観に惹かれ、入社。2019年より現職を務める。趣味は自転車。

中央)近澤一雅さん
1977年生まれ。雑誌、広告、テレビ番組など多方面で活躍するアウトドアスタイリスト。自身のブランドでは、アウトドアで楽しめる木製マルバツゲーム「カンカンキャップス」を開発し、好評を博している。休日の楽しみは家族とのキャンプとフィッシング。大の虎党で、好きな言葉は「代打八木」。

左)佐藤佳代さん
1995年生まれ。アウトドアブランドのプレス担当を経て、現在はフリーランスのPRとして活動中。キャンプの他、フェスやゴルフをこよなく愛するアウトドア派。Tシャツ好きが高じて、捨てられない一枚をクッションにリメイクする活動を数年前から続けている。

背景まで語れて、お洒落に着られるアニマルグラフィックTが名作揃い!

近澤 今年もエル・エル・ビーンらしい色柄が豊富ですね。特に鴨や魚や鹿などアニマル系グラフィック・ティは安定のカッコよさ!

店長 ありがとうございます! ハンティングやフィッシングといったモチーフは、アメリカのクラシックなアウトドア文化の象徴。エル・エル・ビーンには欠かせないテーマです。

佐藤 この鉛筆画みたいなタッチのモノクロイラストが背中に大きく入ったTシャツ、シンプルで好きかも。ウィメンズの展開もあるんですね!

店長 それ、実は1980〜90年代のフィールド・コートの裏地に使用されていた動物柄をアレンジしたもので、解像度の粗い感じが逆に味になっていいですよね。秋冬の定番で、ブランドのアイコンでもあるフィールド・コートの裏地にプリントされていた絵柄。まさに“エル・エル・ビーンらしい”一枚です。

佐藤 胸ポケットのロゴにはメイン州の所在地が記されているんですね。フォントもクラシカルでお洒落。一枚で着る時にさりげないワンポイントになってくれます。あと、背中にカラーイラストが大きくプリントされたTシャツも素敵。近澤さん、似合ってますね!

近澤 釣れない自分でも、釣った気になれるTシャツ(笑)。このグラフィックは去年も見た気がします。

店長 はい。昨年、大好評だったので、今年もラインナップしました! 1980年のカタログに使われていたイラストなんですが、なんといっても絵柄が繊細。今にも動き出しそうなトラウトの絵だけでなく、よく見ると魚が咥えた釣り糸や川の水しぶきまで細か〜く描かれています。こんなにずっと眺めていられるTシャツ、なかなかないですよね。

近澤 確かに、エル・エル・ビーンのカタログ表紙って、昔からセンス抜群ですよね。昨今はヴィンテージ人気も高まっていますし、このTシャツが注目されるのも納得。昨年の買い逃し組はマストバイですね!

店長 しかもこのTシャツ、プリント方法にもこだわっていて。生地にインクを染み込ませてプリントする“染み込みプリント”だからヴィンテージっぽい風合いなんです。さらに、いわゆる“杢グレー”の霜降りボディも通好みのポイントですよ。

佐藤 “染み込みプリント”も“杢グレー”も初めて聞く言葉なので、勉強になります。Tシャツの世界って奥が深い……。

店長 ちなみに、この2モデルは、「ジャパンエディション」と呼ばれる日本企画のモデル。100年を超えるエル・エル・ビーンの歴史にリスペクトを込めつつ、日本の高温多湿な気候、トレンド感を取り入れて、再構築されています。

佐藤 触ってみると、ボディの触り心地が違いますね。

店長 そうなんです。最初の「モリル・ショートスリーブ・アニマル・グラフィック・ティ」は、表面にコットン、裏面にナイロンのハイブリッド素材。見た目はナチュラルなのに、吸水速乾、抗菌防臭、接触冷感、UVケアなども備えた高機能Tシャツです。もう一方の「ビーンズ 1980 ショートスリーブ・カタログ・トラウト・ティ」は、USAコットン100%製のジャージー素材を使用し、製品洗いをかけることで最初からソフトで着慣れた風合いに仕上げています。

近澤 アウトドア派もヴィンテージ派も納得できるクオリティ。ちょっと大きめのサイズをパンツにインすると今っぽく着られていいですね。

佐藤 他にもアニマルグラフィック・ティがありますね。どちらもほのぼのとした鴨のロゴがキュート。鴨のデコイ(置き物)も店内に飾られていたり、ブランドの象徴なんですね。

店長 エル・エル・ビーンの本拠地であるメイン州はハンティング文化が盛んなので、鴨モチーフが多いんですよ。

近澤 触ってみるとやはり質感が違いますね。

店長 はい。どちらも鴨がモチーフですが、ボディの生地が異なります。まず、円形グラフィックに鴨を描いた淡いブルーの一枚は、「ケアフリー・アンシュリンカブル・ティ」といって、色褪せや縮みに強く、シワになりにくいリングスパン・ジャージーニットを使っていて、丈夫なのにソフト。着れば着るほど体に馴染みます。一方、飛び立つ鴨を描いたダークグリーンの「レイクウォッシュ・オーガニック・コットン・グラフィック・ティ」は、オーガニック・コットン100%のボディにウォッシュ加工を施し、着始めからこなれた風合いを出しています。

佐藤 着るごとに毎回洗うTシャツだけに、“ケアフリー”はすっごく便利。Tシャツにいちいちアイロンをかけるのも面倒だし、気兼ねなく洗えてシワになりにくいって最高!

近澤 逆に“洗いざらし感”を楽しみたい人は、やっぱりオーガニック・コットン100%の“レイクウォッシュ”がいいですよね。着込むほどに風合いが増す「これぞアメリカのTシャツ」って感じ。本村店長のように、定番のチノパンに合わせるだけでサマになります。

定番にロマンをひとさじ、風景グラフィック&クラシックロゴT

近澤 やっぱりエル・エル・ビーンといえばカタディン・ロゴ。たくさんあるアウトドアブランドのロゴの中でも秀逸なデザインですよね。

店長 ありがとうございます。カタディン・ロゴは、1987年に創業75周年を記念して導入されたロゴで、エル・エル・ビーンの本社があるメイン州に位置する、青い湖と深い緑の森に囲まれたカタディン山脈に日の出がのぞく様子が描かれたもの。ブランドのアイデンティティそのものと言えますね。

近澤 ブランドロゴがドーンと入ったTシャツってちょっと気恥ずかしかったりするけど、このロゴは堂々と着られます。むしろ大きい方が誇らしい、珍しいロゴだと思います。

佐藤 確かに。プリントの風合いが最初から着古したような雰囲気でいい!本村店長が着ているアプリコットカラーがまさにそうですが、まるで本当のヴィンテージみたい。

店長 僕が着ているアプリコットカラー、淡いグリーン、チャコールの3色は、プリントを施した後に製品染めを施し、あえてプリントの上に染料がのる部分と洗いによりプリントが剥がれる部分を出してヴィンテージのプリントTのような風合いに仕上げています。杢グレーだけ製品染めではありませんが、着込んで洗うほどに味が出てきます。こちらも「ジャパンエディション」で、ボディは前出の「モリル・ショートスリーブ・アニマル・グラフィック・ティ」と同じ、表面にコットン、裏面にナイロンのハイブリッド素材です。

近澤 こんなに雰囲気出てるのに、吸水速乾、抗菌防臭、接触冷感、UVケアの全部入りってびっくり!

佐藤 全然そう見えない!クラシックな見た目なのに、着心地はナイロンというギャップが面白いですね。

店長 ちなみに、着古した感じを求めていない人には、こちらの「ケアフリー・アンシュリンカブル・ティ」がオススメです。カタディン・ロゴがアレンジされた独自のバックプリントが入り、名前の通りケアフリー。色褪せや縮みに強く、シワがつきにくいボディなので、いつもキレイな状態で着られます。

近澤 “アンシュリンカブル”というくらいだから、化繊が入っているのかと思いきや、コットン100%(※リブ編み部分は除く)。僕らがちょうどいいサイズ感で着られる「ジャパン・フィット」に設定している点も好感が持てます。

佐藤 ロゴひとつとっても語れるポイントがあり、ロゴTはロゴTでもボディが違うと雰囲気も変わるし、活躍する場面も変わりそうです。やはりロゴTも奥が深いですね。

近澤 同じく、“アンシュリンカブル”Tシャツなら、僕はこのTシャツも好きですね。風景などのイラストは入らず、クラシックなフォントのロゴが入るだけ。逆にそのシンプルさが潔い。どこか古き良きアメリカを感じるオールドスクールなデザインで親しみやすいんですよね。シワになりにくい特性も相まって、なんだかんだヘビロテNo.1候補になるんじゃないかな。

佐藤 この水彩画のようなタッチのグラフィック、めちゃくちゃ素敵じゃないですか?

近澤 かわいい!ツートーンのキャップとも合うし、ボーイッシュな佐藤さんの雰囲気にぴったり。見たことない絵柄だけど新作かな?

店長 このイラストは1990年代アーカイブからの復刻なんです。メイン州の雄大な山とその麓に広がる湖を描いたものですね。当時のプリントの雰囲気を出すために、水性染料を使った染み込みプリントで再現しています。

佐藤 それでこの柔らかい質感なんですね。見た目は完全にコットンだけど……。

店長 実はこれ、ポリエステル100%。特殊なポリエステル糸を使用することで、コットンのような表情とナチュラルなタッチ、肌離れの良さを実現したハイテクTシャツなんです。吸水速乾、UVケア、伸縮性にも優れているから、夏のアクティビティにもオススメですよ。「ジャパンエディション」から今年登場した“アクティブコレクション”の一枚ですね。

近澤 ウィメンズサイズの展開もあるけど、あえてメンズをオーバーサイズで着て、プリントを強調するのもいいですね。肩が落ちて、肘が隠れるくらいのサイズ感がかわいいと思います。

佐藤 ほんと、アウトドアでも街でも毎日着たくなります!

人生いろいろ、機能もいろいろ隠れた名作Tシャツについて

近澤 僕のお気に入りは「サンスマート・ティ」。長くアウトドアの仕事をやってきたのに日焼け対策をしたことがなかったんですが、昨年このアイテムの存在を知って、夏場は本当に重宝しました。

店長 「サンスマート」はUVカット機能がすごいんです。紫外線を約97.5%以上カットするUPF 50+を発揮して、白いコットンTシャツよりも約10倍遮断してくれます。実は服を着ていても紫外線は通過するんですよ。

佐藤 えっ!普通の服では紫外線を防げないんですね……。これは心強い。

店長 紫外線カット機能だけでなく、吸水速乾性、伸縮性もあるので夏のアクティブなスポーツにもオススメです。アニマルグラフィックやロゴTなどと比べると地味な印象ですが、実はエル・エル・ビーンの隠れた名作Tシャツなんです。バリエーションも豊富で、近澤さんが着ている山の稜線グラフィック以外にもさまざまな色柄をラインナップしています。

近澤 僕のように日焼け止めを塗るのが面倒という人は、山や川や海に行くなら必須ですよね。歳を重ねるごとに紫外線対策は欠かせなくなるので、夏の救世主ですね。

店長 ウィメンズ限定ではありますが、隠れた名作Tシャツを、もう一枚ご紹介させてください。こちらのアメリカ産の上質な超長綿「スーピマコットン」を使用したTシャツは、美しい光沢を帯びていて、肌触りが段違いにいいんです。

佐藤 わっ!すべすべで気持ちいい。これは高級感ありますね。控えめなロゴもお洒落。

近澤 丈も短めでウエストも自然にくびれてるし、ネックも細め。Tシャツだけどちゃんと“女性らしさ”を感じられるシルエットですね。

店長 でも実はスーピマコットンって、通常のコットンより約35%繊維が長く、約45%耐久性があると言われているんです。エル・エル・ビーンでも独自にテストをして、繰り返し洗濯しても、色褪せしたり伸びたりしにくく、きれいなルックスを長い間キープすることを実証しています。

近澤 高級感のあるルックスなのに、実はタフ。名門アウトドアブランドならではの頼もしさですね。

佐藤 こんなに肌触りがいいスーピマコットン100%なのに税込6600円。これは買いです!

佐藤 Tシャツって、絵柄の違いくらいしか気にしていなかったけど……一枚一枚こだわりが半端じゃない! これからは、機能のこともわかったうえで“背景まで語れる”一枚を選びたいですね。

近澤 エル・エル・ビーンのTシャツは、素材、プリント、着心地、機能……全てに理由があるから選ぶのが難しいんですよね。バリエーションも豊富だし、吉祥寺店に何時間でもいられそうです(笑)。

店長 バリエーションの多さは僕も完全に把握しきれないほど(笑)。選ぶ時間から楽しんでいただけたら嬉しいですね。

ページトップに戻るページトップ
に戻る
ページトップ
に戻る